漏斗胸の手術について詳しくお伝えします。 手術となると不安がつきまといます。Nuss法は漏斗胸手術の王道といわれていますが、入院期間、費用、後遺症など気になるアレコレを一挙に解決して不安を解消しましょう。

漏斗胸の根本的解決には手術が一番

漏斗胸は、生まれつきの遺伝子疾患です。原因が不明と言われており、約1000人に1人の割合で疾患が現れるとされています。胸が凹んでいる状態のため、肺や心臓が圧迫されることが多くあります。そのため、少しでも圧迫を解消するために背中を丸めるようになり猫背になってしまうことに。

レントゲンで漏斗胸の人の正面からの画像をみると、 ほとんどの漏斗胸の人が脊椎側弯症であるのです。また、漏斗胸は身体に負担を与えている状態ですので、ひどい場合は、気管支ぜんそくや不整脈を招きます。症状がひどい場合だけでなく、日常生活に支障が出てしまうときは、手術を考えることが根本的な解決になります。

どういう人が手術を受けるの?

こんな人は手術が必要

必ず手術をしなければならないという訳ではありませんが、一般的に次のような人は手術を行います。

  • 心臓や肺などの機能に負担が強くでている
  • 胸の凹みが大きい
  • 本人、家族が手術を希望している

このような場合、多くのかたが手術をしています。

手術に最適な年齢

3歳まで様子をみるケースが多く成長の段階で治る場合があります。手術に最も最適な年齢は、8~9歳が最も最適と言われいます。骨が柔軟であるため術後の痛みの消失も早いことがメリットです。成人でも手術を希望される方は多くいらっしゃいます。

漏斗胸手術の王道はNuss法

Nuss法ってどんな方法?痛みは?

Nuss法は、胸腔鏡補助下胸骨挙上術と言わる手術です。 この術式は、胸に大きな痕を残ることがなく、傷跡が両脇に2cmほどの痕がつくだけです。胸の中に細長い医療用のステンレス製の板、ペクタスバーと呼ばれるものを埋め込みます。次に、内側から胸の骨を持ち上げます。これによって胸の凹みを治療するのです。一般的に約2年から4年前後経過すると、この金属の板を体内から取り出します。

術後の痛みは、以前の術式よりもはるかに痛みが軽減されたとされています。痛みについては、麻酔や点滴でコントロールすることが出来ます。

入院期間はどれくらい?

担当医や病院により差がありますが、10日から14日間が一般的です。最短だと、5日で退院を目指す所もあります。

費用はどれくらい?

手術費用は、約120~150万円ですが、健康保険により、費用は3割負担のため約40~50万円となります。このように費用が高額なので18歳以上で手術をする場合、高額療養費制度を利用します。自己負担額が高額になってしまった場合に、一定の額(自己負担限度額)を超えた分をあとから払い戻ししてくれる制度です。自己負担限度額は、収入によって人それぞれ異なってきます。おおよそ 2万円~12万ほどの費用が自己負担となります。18歳未満は、 自立支援医療制度を利用することが出来ます。住んでいる市区町村によって異なりますが、 おおよそ数千円~1万円ほどの自己負担になります。

合併症は?

手術中に起こりえる合併症としては、心臓や大きな血管、肺を傷つけてしまうことです。 国内で手術中に2名が心臓の損傷で即死してます。また、内胸動脈の損傷があって止血できない時には、開胸手術が必要になります。術後に、気胸、血胸、心内膜水腫などの可能性、ペクタスバーがずれたり、回転したりすることがあります。合併症の確率は、1%以下との報告がなされています。

後遺症は?

後遺症は、個人によって差があります。一般的な後遺症としては、痛みがあります。 数週間から数か月痛みが続きその後痛みは消失します。痛みのコントロールは、術後は麻酔、痛みの度合いによって点滴や飲み薬で行います。

失敗することはあるの?

胸の凹みが100%戻らないケースなどです。 成人は、骨が硬いため痛みが治まらないなどの異常ががみられた場合、再手術となるケースもあります。

手術後の生活は?

ベクタスバーを抜くまでの生活上の注意点として、外科的な処置など問題がなければ術後3ヶ月後から、軽度のスポーツ活動が可能です。術後6ヵ月後、通常のスポーツ、水泳、テニス、ジョギングなどが可能となります。胸に衝撃を受けるようなラグビー、柔道などは控えることが推奨されています。

ただし、女性の場合は注意も必要

考えられるリスク

女性ですと、やはり見た目を気にする方が多くいらっしゃいます。外科的な手術では、骨格を戻すことは可能ですが、筋肉や脂肪などは以前と変わらないため、美しさを求めた際、美容外科手術が必要になる場合があります。

お医者さんとよく相談して決めましょう

現在、漏斗胸の手術は、Nuss法が主流です。負担が少なく傷跡が目立たないなど予後もよいというメリットがあり国内外で多く行われています。やはり、手術は合併症や後遺症などの問題もるため、全てを理解した上で担当医と話し合い、不安や疑問を解決することをおすすめします。信頼のおける医師選び、自身のライフスタイルに合わせて何がベストな選択なのか見極めましょう。